【英文記事】卍はハーケンクロイツ?地図から消した方がいい?
Englishコーチンは名古屋で15年以上活動している英会話サークルです。
今回は日本文化に定着している卍について議論しました。
以下リンクがお題記事(英ガーディアン)です。
ちなみにガーディアンですが、イギリスの高級紙の一つ。向こうの知識層が見てるらしいです。
2020年現在でもフリーで回数制限なく読める数少ないオンライン新聞の一つ。フォントもなんか読みやすい気がしますし、私は好きです。
今回の記事は中身は読みやすい内容ですが、使われている単語自体は英検1級レベルだったりします。
単語は難しいが、分かりやすい内容で類推しながら読めるという意味では、英語学習に最適だと言えます。
背景
皆さんがよく知っている卍ですが、日本では寺を表す地図記号です。
Google mapを見てもたくさんの卍を見ることができますし、浅草寺みたいにお寺自体の装飾に使われていることもあります。
もともと卍はサンスクリット語で「神聖」・「繁栄」・「平和」を意味し、ヒンズー教や仏教で使われています。
この卍ですが、ドイツのハーケンクロイツ(スワスティカ)に似ているのでヨーロッパやアメリカから日本に来た旅行者は卍を見て結構ビックリされるみたいです。
(厳密に言うと卍(まんじ)とハーケンクロイツは向きが逆ですが、そんなことは誰も気づかないです。)
中には卍を見てかなり不快に思う方もいるようです。
そこで、国土地理院が外国人用の地図から卍を削除し、新しく作った寺院のマーク(パゴダpagoda)を使うことを検討しました。
(外国人用の地図のみ変更で、日本人用の地図はそのまま卍をお寺のマークとして使用継続。)
この当時、この話かなり日本国内で物議を醸しました。
この話題をJapan Timesが報道し、他の海外報道機関も引用して海外に広がりました。
結局日本人の反対意見が多くて、国土地理院は変更を断念したようです。
当サークルのディスカッションでも賛否両論ある熱い議論となりました。
英単語
ガーディアンの記事で特に難しそうな単語の意味をまとめました。
これがあれば、あとは高校レベルの英文法で書かれている文章ですから、理解できるとおもいます。
swastika | スワスティカ |
denote〜 | 〜を意味する 類)indicate〜, symbolize〜 |
deem〜 | 〜とみなす |
replace〜 | 〜を置き換える |
Geospatial Information Authority | 国土地理院 |
pictogram | 記号 |
The chief culprit | 主な原因(主犯) |
flummox〜 | 〜を困惑させる |
truncheon | 警棒 |
saluting | 敬礼する |
accommodation | 宿泊施設 |
disseminate〜 | 〜を配布する |
embassy | 大使館 |
retain〜 | 〜をそのまま残す |
英語の質問
今回の記事選定と質問ですが、当サイト管理人の私が担当し作成しました。
- Have you ever seen “manji” symbol in Japan? Where have you seen it?
- Have you ever experienced confusing symbols in other countries? What kinds of symbols have you experienced?
- Table1 represents symbols for Japanese and renewed symbols for foreign tourists. Which is easy to understand for you?
- GSI decided later that “manji” symbol would not be changed due to criticisms from the public. Are you for or against the decision? Why do you think that?
- The Rugby World Cup is going to be held next year and the summer Olympics is going to be held the year after next. What else should we do, in order to be more convenient for foreign tourists?
参考情報
今回の卍問題についての関連情報を載せておきます。
他メディアの報道内容
今回Japan Timesから報道されて、海外各紙がそれを引用する形で海外にこの話題が広がりました。
Japan Timesが日本についての情報を海外メディアに拡散させることは、昔っからよくあります。
いいことも悪いこともあるのですが、今回に関しては日本やアジアの文化を正直に伝えてくれたのでガーディアン含め非常に日本に対し理解のある良い引用記事が沢山書かれました。
書かれている内容はあまり変わりませんが、同じテーマで読み比べるのも英語力向上につながると思います。
是非読んでみてください。
- Japan revamps map symbols that baffle tourists
- Japan may change map icon that looks like swastika
- Japan's plan to drop swastikas as temple symbol sparks backlash
- Confusing swastika to be removed from maps in Japan
- Japan announces it will remove swastikas from tourist maps
- Japan's plan to ditch 'swastika' as temple symbol on tourist maps sparks criticism
- Japan axes use of a swastika map symbol so it will stop confusing tourists
【動画】YouTube Rachel & Jun より
今回の国土地理院の対応について、日本に住む海外の人としての視点で説明しています。
卍は元々は神聖な文字であり、ハーケンクロイツよりも長い時間使われてきたのに、ハーケンクロイツのせいで地図から取り上げられるのはおかしいのではないか。
卍の歴史について知らない海外の人に逆に、教える機会にもなるのだから、地図から無くすべきではないとコメントされています。
少し早い英語ですが、ハッキリしており聞き取りやすく分かりやすいです。
こんな感じで自分の意見を英語で主張出来たらなあと思っちゃいます。
アメリカのSwastikaの歴史
こちらの記事も結構長いですが、swastikaのアメリカでの歴史等含め非常に詳細にまとめられています。
IN JAPAN, A DEBATE ABOUT SWASTIKAS TAKES ON NEW URGENCY
【アメリカのSwastikaの歴史】
1907年のアメリカのハガキにSwastikaが描かれており、4つのL(Good Luck, Love, Life, Light)が重なる印という意味で使われていました。
このようなハガキはアメリカで19世紀から20世紀にかけて広く使われていたとのことです。
また、これより以前にネイティブアメリカンの陶器やブランケット等にも使用されてきたことが分かっています。
その後1925年にはコカ・コーラのペンダントに使われたり、第二次世界大戦前はアパートの玄関口の装飾に使われたりもしていたとのこと。
なのでアメリカの歴史の中でもずっとナチスドイツのシンボルとして扱われてきたのではないことが分かります。
【宣伝】「Englishコーチン名古屋で英会話」について
最後に当サークルについて宣伝させてください。
「Englishコーチン名古屋で英会話」は名古屋で15年以上活動を続けている、英会話サークルです。
当サークルですが、他と違うところが2つあります。
1つ目ですが、英字新聞の記事を読んで議論することです。今回紹介しているガーディアンのような記事を読んで英語で議論します。
多くの英会話サークルは挨拶とゲームで終わってしまうことが多いですが、当サークルは自分の意見を英語で言う訓練ができます。
2つ目ですが、海外出身の方が来られることがあるという点です。
多い時ですと1/3が海外出身の方というときもあります。出身もバラバラで、英語圏だけでなくアジア、南米、アフリカの出身の方も来られます。
色々な英語に触れる機会になると思います。
当サークルですが、開催告知をFacebookを使って行っております。「いいね」してもらえますと、告知時に連絡が来るようになりますのでお勧めです。
関連記事
当サークルで議論した内容がまとめられています。
日本についての海外の論評だったり、ITネタだったりと色々あります。